みなんさんこんばんわ!
幼少の頃より患っていた手のひら多汗症をETSという手術で治療し、その後はその手術の副作用である代償性発汗という病気を患ってしまった多汗症ラボ管理人です。
今年で代償性発汗歴が10年になったということで、節目としてこのブログを書くことにしたのですが、ブログを書くにあたって自身の代償性発汗について色々と調べる時間が増えました。
そうした中で、よく「リバーサル手術」という代償性発汗の治療方法を目にします。
現代医療をもってしても、はっきりとした原因も未だに分かっていなければ治療法も確立されていない代償性発汗ですが、それを「治療する」だなんて、期待に胸が膨らみますね。
リバーサル手術とは?
簡単に説明しますが、ETS(胸腔鏡下交換神経遮断術)で切除した神経箇所に、自分の別の箇所から持ってきた新たな神経を繋ぎ合わせて神経伝達経路を復活させるための手術です。
どこから新たな神経を持ってくるか。
新たに持ってきた神経をどういう方法で繋ぐのか。
そういった部分が医師や病院によって違うようですが、概ね同じ処置を施します。
代償性発汗は、脳から体に向かって出る「汗出せ信号」に対して、体からの「汗を十分出したからもう汗出せ信号をを止めてください」という返事が脳に返らず、汗出せ信号が出っ放しになることで体の汗がひたすら出続ける症状です。
体から脳に返事を伝えるための通路がETSによって撤去されてしまっているんですね。
その一旦は撤去された通路を、別の神経を用いることで再度開通させ、手術以前の正常な神経伝達回路を取り戻すことを目的とした治療方法が、リバーサル手術をいうわけです。
リバーサル手術を受けるには?
ここが重要です。
現在の日本では、代償性発汗の治療としてリバーサル手術を行っている病院はありません。
そして保険適応でもありません。
そのため、今のところ代償性発汗の治療としてリバーサル手術を受けたい思ったら、代償性発汗の治療としてリバーサル手術を行っている国(海外)で受ける以外に方法はないようです。
海外での手術だなんて私のような平凡人間には敷居が高過ぎて、全然現実的じゃありません。
そのため以前書いたブログで「代償性発汗を治療する方法はない」としていたんです。
しかし、リバーサル手術を行う技術はすでに日本の医療にはたくさん存在します。
例えば癌治療の一環として、やむを得ず切除した神経を復活させるための人工神経移植手術は国内で相当数行われていますし、そちらはもちろん保険適応です。
それがなぜか「代償性発汗の治療」としてリバーサル手術を受けようと思うと手術自体を引き受ける病院は無くなりますし、保険も利かなくなってしまうという、なんとも不条理な状態なのが今の日本の医療です。
※極一部の病院では、その病院でETSを受けた場合に限り保険未適応ながら代償性発汗の治療としてリバーサル手術を行っていますが、他院でETSを受けた患者は全く受け入れていないようなので、これはノーカウントとしました。
リバーサル手術を行っている病院
現状海外でしか受けることができない代償性発汗のリバーサル手術ですが、インターネットで探してみると日本からの患者の受け入れに対して積極的な病院がひとつ見付かりました。
SAIRAALA TILKKA(フィンランド)
2010年5月24日更新 過去にETSによる治療を受けている場合、代償性発汗やエネルギーの欠乏をはじめとする副作用の軽減を必要とする場合があります。当院では、1997年にテラランタ医師が初めてETSリバーサル手術を導入して以来、この手法の開発を続けています。 現在、当院では破壊された神経のバイパスに肋間神経を使用しています。 テラランタ医師は、300以上のETSリバーサルを施術しており、手法の向上のために常に学術的協力を行っています。問診票にご記入いただき、ETS前後の状況を当院までお知らせください。患者さんの症状には真摯にご対応し、1営業日以内にご回答いたします。
フィンランドの病院ですが、ホームページは日本語訳で見ることができます。
残念なのはお問い合わせフォームが日本語に対応していないところ。
英語が堪能な方、もしくは翻訳ソフトなどを駆使できる方は英語で事前に問合せをしてみると安心かと思います。
インターネットで代償性発汗、リバーサル手術について調べているとよくお見かけする有名なブログ主様も、この病院でリバーサル手術を受けられたようですね。
海外に行ってまでリバーサルを受けるべきか?
実際に手のひら多汗症と代償性発汗のふたつを経験している私としては、どちらも辛いし、どちらも患っているだけで「普通に生きていく」という当たり前のことが難しくなります。
実際に多汗症や代償性発汗の辛さから逃れたいが一心で、自ら命を絶った方もいらっしゃるとお聞きします。
現に私もそういう時期がありましたので、その方々のお気持ちが非常によく分かります。
そこで!
そこまで辛い思いをしているのであれば、海外でのリバーサル手術は十分に受ける価値があると考えます。
死ぬほど思い悩み、毎日が辛く、生きていくことに希望が持てないような状態にまでなっていたとしたら、いっそのこと清水の舞台から飛び降りるような気持ちで海外での治療を受けてみましょう。
リバーサル手術について
私がこのブログ上に書いた記事の中からフィンランドで受けたリバーサル手術のことについてまとめたものを一覧にしています。
リバーサル手術はそもそもどういった手術なのかということについては、金魚板のバックアップを見ていただいた方が分かり易いかもしれないです。
その上でETS手術、その後遺症である代償性発汗、そしてリバーサル手術について私の考えをまとめたものが下記「ETS手術・リバーサル手術について私の考えをまとめたもの」になります。
また、私が感じた日々のことや細かい変化や感触など、たくさんのことを日記の方にも書いています。
引用元:まるとんのブログ
先述しましたリバーサル手術で有名なブログでは、主様が実際に海外で受けたリバーサル手術についての詳細がとても詳しく紹介してありますので、是非一度ご覧になってみてください。
リバーサル手術のまとめ
私は代償性発汗持ちになってからの10年間は、とにかく諦めの人生でした。
一生のこの不便な体と付き合っていかなくてはならないのか、、、。
そう思っていたんです。
しかしこうしてブログを書くようになり、その過程で自身の代償性発汗について調べることを沢山するようになり、そうした中で知ったリバーサル手術です。
知りたてほやほやではありますが、まとまった時間とお金と海外に飛び出す勇気が揃った暁には絶対に受けようと思います。
藁をも掴む気持ちというわけではありませんが、僅かでも希望があるのであれば、それが生きていくうえでの糧となります。
欲を言えば、近いうちにでも日本でリバーサル手術が受けられる世の中になってくれることが一番ありがたいんですけどね。
9月も終盤に入り、段々と日中の気温も下がり、体に汗をかきにくくなってきました。
もっと涼しくなれば代償性発汗での汗はほとんどかかなくなるでしょうし、そうすると気持ち的にも精神的にもとても安定してきます。
その間にじっくりとリバーサル手術について、もっと調べていきたいと思います。