手のひら多汗症治療!ETS手術は善なの?悪なの?どっちなの?

手のひら多汗症に対して絶大な効果をもたらすETS(胸腔鏡下交換神経遮断術)という手術。

元手のひら多汗症患者だった私も10年ちょっと前、実際にETSを受けました。

手術を受けると、24時間365日所構わずあれほど大量にかいていた手のひらの汗はピタっと止まり、寒い季節になるとハンドクリームを塗らないとアカギレを起こしてしまうほど、手が乾燥するまでになりました。

術後はじめての冬、乾燥してヒビ割れた手のひらを見て感動したのを覚えています。

保険も効くし、手術は短時間で終わるし、それでいてしっかりと手汗は止まるし。

素晴しいじゃないですか、ETSってやつは!

、、、と簡単に、ETS手術=善だと言えるのでしょうか。

今回は、そんな自分の中でのETSに対する思いの葛藤を書いてみたいと思います。

スポンサーリンク
広告 PC




避けて通れない代償性発汗

ETS手術には、高確率で発症する大きな副作用があります。

私も例に漏れず、手術の副作用として代償性発汗を患ってしまったのですが、手汗が止まった変わりに、顔と手のひら以外の体中に大量の汗をかくようになってしまったのです。

これには本当に参りました。

手のひらにかく汗は隠せば人目につきにくいのですが、体中に大量にかいた汗は着ている服に濃い汗染みとして表れ、他人からしたら遠目に見ても「あの人なんであんなに汗かいてるの?」状態になってしまいました。

せっかくコンプレックスだった手汗を手術で止めたのに、それ以上のコンプレックスを持つ羽目になるなんて、ETSを受ける前の自分の無知さを今では強く反省しています。

自分で調べるだけ尽くさなかったという点で自業自得なのですが、副作用の辛さやその他もろもろをしっかりと丁寧に伝えてくれる、ETS手術に長けた良い病院を選ぶべきでした。

手術は受けて良かったのか?

そんな私も代償性発汗歴が10年を超え、最近ではよくETSを受けて良かったのか?それとも受けるべきではなかったのか?を考えるようになりました。

手汗が止まることでできるようになったこと(メリット)も沢山ありますし、しかし、体中に大量の汗をかくことでできなくなったこと(デメリット)も沢山あります。

そのため、未だにETSが善なのか悪なのか、を自身の中で決めかねている状態なんです。

今のように寒い時期には体に汗をかくことが少ないため、今の気持ちだけで言えば「ETSを受けて良かった」となるのですが、冬が終わりどんどん気温が上がるにつれて体中から滝のような汗を噴出す頃になると、心の底から「ETSは受けるべきではなかった」と考えるようになり、死ぬほど後悔したりもします。

私のETSへの思い

現在、私には1歳5ヶ月になる可愛い息子がいます。

子どもを授かるまでは自分が子ども好きだとは微塵も思っていなかったのですが、いざ産まれてみると、これが可愛くて可愛くて仕方がありません。

目に入れても痛くないとはよく言ったもので、本当にそう思うほどに溺愛しています。

休日にそんな可愛い我が子を連れて公園に行き、まだヨチヨチ歩きの子どもの手を繋いで一緒に歩くのですが、そんな時にふと思います。

「自分が今も手のひら多汗症のままだったら、こうやって我が子の手をしっかりと握ることができたのだろうか?」

と。

手汗がひどかった頃は自身の手のひらがビショビショなのを人に悟られるのが恥ずかしくて、当時は恋人の手すらまともに握ったことがありませんでした。

手のひら多汗症であることをカミングアウトしておらず、適当な理由をつけて手を握らない主義を演じていたのです。

今の奥さんと知り合った時にはすでにETSを受けていたため、デートに行く先でよく手を繋ぎましたね。

なんなら今でもよく手を繋ぎます。

ラブラブなんです。

そこでも思うこともあります。

「もしETSを受けていなかったら奥さんとも手を繋がなかっただろうし、そうすると今ほどラブラブじゃないのかもしれないし、待てよ、その前に結婚もしなかった可能性もあるぞ。」

と。

手のひら多汗症だった頃は、人と触れ合うことを極端に避けていましたからね。

代償性発汗を患ってからの暑い時期(代償性発汗は気温が25度を超えることに反応する気温依存の発汗障害)は今でも他人を避けるようになりますが、汗をかかない涼しい時期は対人関係にもいくらか積極的になれるのです。

ちなみに私が奥さんと初めて会ったのは冬のはじめだったので、本当に良い時期に出会うことができたと思います。

もし夏に出会っていれば私の方が避けていたでしょうね。

なんたって体中がビショビショに濡れているのですから。

ここまでをまとめると、

「ETSを受けていなかったら結婚もできなかったかもしれないし、そうすると可愛い子どもを授かることもなかった。」

となるため、素直にETSを受けて良かったと考えるべきなのでしょうが、簡単にそう思えないのは代償性発汗のあまりの辛さのせいでしょう。

ETSの善悪は決まらないかもしれない

春になり気温が上がってくると四六時中体全体から汗が噴出し、毎日が憂鬱で、精神的にドンと落ちてしまいです。

ETSを受けていなかったら今の幸せな生活は得られなかったでしょうが、受けていなければ今ほど辛い毎日(暑い時期限定)を送ることもありませんでした。

どっちが正解なのか、、、。

これが未だ、私がETSの善悪を決めかねている要因です。

正解だったのか。

不正解だったのか。

本当にどっちとも言えない感じです。

これは今後、もっと時間が経っても変わらないのかもしれません。

ETSを検討中の方へ

私は、愛する奥さんと結婚できたものETSのおかげだし、可愛い息子の手を引いて公園を散歩できるのもETSのおかげだと思っています。

ETS無しには今の幸せな生活は手に入らなかったでしょう。

奥さんには自分が代償性発汗持ちであること、またその症状を詳しくは話していないのですが、なんとなく汗を沢山かく病気なんだなという風に捉え、そしてとても理解(病気のことについて一切触れず、汗の話も奥さんからは全くしません)してくれています。

私はとても素晴しい伴侶を得ることができました。

そういったこともありETSを完全に悪いとは言えずにいるのですが、はっきり言って、代償性発汗でかく汗は手掌多汗症の非ではありません。

手のひら多汗症でかいていた手汗の、軽く数十倍の量の汗を体中にかきます。

手を人に見せない、人に手を触れさせないでおけば自身が多汗症であることを他人に知られることがなかったものが、パッと見で全身が汗で濡れてるためすぐにバレるようになります。

着る服は制限されますし、それによって職業も選ばないといけないかもしれません。

そして手のひら多汗症と大きく違うのが「治療(対策)方法が存在しない」というところ。

手のひら多汗症は副作用付きですがETSがありますし、その他にも試してみる価値がある治療方法がいくつか存在します。

それは塩化アルミニウム液だったり、星状神経節ブロックだったり、ボトックス注射だったり、プロバンサインだったり、漢方だったり。

それらを試していく過程で効果的な治療法に出会う可能性もありますし、何を試してもダメ、もう嫌だ、とても生きていられない、、、というところまで追い詰められても、最終的にはETSがあります。

まぁETSの結果が代償性発汗なのですが、手汗はちゃんと止まりますからね。

ただ、代償性発汗が死ぬほど辛かったとしても、現状では何かを試すことすら難しいのです。

〇〇が良いらしい、△△が効くらしい。

そういった情報がほとんど手に入りません。

きっと無いんでしょうね。

だから元多汗症患者で現代償性発汗患者の私のような人間は、「ETS手術を受けるのは最後の最後、人に聞き、自分で調べた治療法を全て試してみて、それでも一切の効果が得られず、手汗をかくことが苦痛で自身の生について考えるような状態になってしまってからはじめて受けるべきだ」と思うのです。

安易に受けるのが絶対にいけません。

私のようになってしまいます。

まずは身の回りの信頼のおける人間に相談し、病院にもいきましょう。

まずは総合病院を受診することをおすすめします。

あと可能であれば、ETS経験者に話を聞くのが一番かもしれません。

手術後の手のひらはどれぐらい汗をかかなくなっているのか。

代償性発汗は実際にどれぐらいの量の汗をかくのか。

そして手のひら多汗症と比べてどっちが辛いのか。

これまで書いたように、私はETSの善し悪しを未だに判断できていないため相談するに値しない人間かもしれませんが、私の知る中でも数名、ご自身の代償性発汗についてのブログを書いている方がいらっしゃいます。

あとツイッターでも数名、代償性発汗の方をフォローさせていただいています。

そういった方々の声を聞いてみると、よりETS手術、代償性発汗の実際のところが見えてくると思います。

とにかく安易にETSを受けないこと。

これが肝心です。

スポンサーリンク
広告 PC