意に沿わない代償性発汗の希望となるか?ETS被害者の会を知ってみて

私は20代の頃に手のひら多汗症の手術(ETS手術)を受け、その後の10年間は手術の副作用である代償性発汗に悩まされています。

手のひらと首から上以外の全身に大量の汗をかくこの副作用を発症すると、健常な方には想像もつかないほどに、それはそれは苦しくて辛い毎日を過ごさなくてはならなくなります。

厳密に言うと、代償性発汗は気温が25度を超えることに反応してはじまる発汗のため、1年の半分の涼しい季節は体に汗ひとつかくことなく快適な生活を送れるのですが、残りの半分は体中に大量の汗をかき、着ている衣服は常にびちょびちょに濡れていて、それが自分自身で気持ち悪いのはもちろん、他人に見られて気持ち悪いと思われているんじゃないかと常に気にしなくてはならない精神的な不安(辛さ)もつきまといます。

そんな体になってしまった私は就く仕事も制限されましたし、対人関係も苦手になりました。

発症してしばらくはあまりの辛さに、いっそのこと私以外の人間が存在しない無人島にでも移住して、周りの目を気にすることなく自由気ままに生き、時が来れば人知れず土に返りたい。

真剣にそう考えていた時期もあったほどです。

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ETS被害者の会を知ったきっかけ

そんな私ですが、代償性発汗を発症してから10年が経ち、少しずつですが自分の体と向き合っていこうとこうやって自身の経験をブログに書く、ということをはじめました。

そうすると自然と代償性発汗について調べる時間が増えたのですが、その中で「多汗症の手術に同意する前に受けた医者から説明に、副作用についての詳しい内容が不足していた、もしくは内容に偽りがあった」状態でETS手術を受けたことにより、意に沿わない代償性発汗を発症してしまった方々がたくさん存在することを知ります。

はじめは「私と同じような方がたくさんいるんだな」という気持ちで、そういった方たちのブログだったりサイトだったりを拝見させて頂いていたのですが、その中で「ETS被害者の会」なる言葉をちらほら見かける機会があり、そこで会の存在を知ることになりました。

ETS(交感神経切除手術)被害者連絡会なる会

ETS被害者の会(※正式名称:ETS(交感神経切除手術)被害者連絡会のサイトの内容を詳しく見てみたのですが、意に沿わないで代償性発汗を患ってしまった方や、現在多汗症に苦しんでいてETS手術を検討中の方にとって、「希望」とも言えるような立派な活動をされています。

ETS(交感神経切除手術)被害者連絡会について

<設立目的>

  • ETS被害者救済とこれ以上被害者が出ないことを目指す。

<活動内容>

  • 医療側にはETS手術を安易に行うことに警鐘を鳴らし、一般の方には、副作用を含めた危険性を告知。
  • 被害の実態を調査し現状を社会に公表。
  • 被害者への裁判の支援。
  • 厚生労働省等、行政への働きかけ。
  • 会合を開いて意見交換をし、また、会員同士の親睦を深める。

引用元:ETS(交感神経切除手術)被害者連絡会

そして私が感銘を受けたのは、運営スタッフの方の考えの部分です。

■ETS手術を受けただけで障害者手帳の交付を!そして障害者年金受給を可能に!

ETS被害者は手術を受けたことにより仕事ができなくなって退職においこまれたりする人も少なくありません。

そこでどんな救済方法があるか考えてみたいと思います。

人工股関節手術は、手術を受けただけで、障害者手帳が交付されたりしますが、そういったことをETS手術に適用できないかと考えています。

ETS手術という手術を受けたというその事実だけで、申請さえすれば、障害者認定されるような仕組みができればと思っております。

ETS手術のせいで、働けないことによって、障害者年金を受け取れたり、そういったことが制度として確立されてほしいと思っております。

また、ETSの場合、周囲の理解が得られず、温度設定も命に関わる問題とも思っております。ETS患者の場合、頭部の温度が上がりやすく、体温調節機能も低下しているため、熱中症になる確率が極めて高いです。ですので、原爆症の方には、被爆者健康手帳というのを交付されておりますが、ETS患者の場合、一般の障害者手帳にプラスして、「ETS症手帳」というものも交付されればと思っております。その手帳を見せた場合、節電に関係なく、極力、室温を24度以下にするように公共の場所では努力しなければいけないという風にしていただければと思っております。

■医賠責専門病医院の設立により日本の医療被害者全体の救済を!

ここまで行くと政治の力がどうしても必要ですが、日本の医療被害者全体の救済という観点で考えてみたいと思います。医療被害者というのは、日本ではなかなか救済されていないのが現状です。

交通事故は、自賠責に直接被害者請求できますが、医療被害者も医賠責に直接、被害者請求できる仕組みができればよいと思っています。そのためには協力医が必要なので、医賠責専門病院の設立が必要です。

医師は、自分が報復されたくないので、「前医を否定せず」という態度で、なかなか他の医師の批判をしません。明らかな手術ミスなどがあったとしても、なかなかそれを他の医師が認めなかったりして庇いあってしまいます。

ですので、医賠責専門病院を設立し、その病院の医師は、匿名で、診断書や後遺症認定の書類を作成でき、患者と会う時も、名札に番号だけ書いてあり、名前さえ知られず、内部だけで番号で管理できていればよいという状態にし、他の医師から報復を受けないような体制をとれれば、きちんとした救済を受けられるはずです。

交通事故などはきちんと被害者が救済されているのに、医療によって被害を受けた大概の人が救済されないのはおかしいですし、交通事故でも訴訟を提起する場合もありますが、そういったことは医師と患者の両方にとっても負担になってしまうので、できるだけ、医賠責を充実させ、診療時や特に手術などの際には失敗しても救済されるよう患者が数千円などお金を払って保険をかけるような形で、すぐに救済されるような制度ができればよいと思っております。

引用元:ETS(交感神経切除手術)被害者連絡会

同じ代償性発汗を患っている方が代表を勤めておられると思うのですが、自分以外のETS被害者のためにここまで考えてくれて、そして実際に活動されているなんて、これまで自身の代償性発汗についてしか考えてこなかった自分を恥ずかしく思いました。

意に沿わない副作用を患っている方へ

私はこれまでの10年間、自身の代償性発汗をどう対策し、気温が25度を超える暑い時期をどう乗り切るかだけを考えてきました。

それは「代償性発汗は治らない」とか、「手術前の説明が不足していたとしても、サインをしたのは自分だ」などという、諦めからくる視野の狭い考え方です。

■ETSを受け、後遺症に苦しんでいる方へ

まずは意識改革を!

自分がきちんと「被害者だ」という意識を持ってください。

沖縄のETS被害者の方から、「沖縄のETS被害者の多くは、医師に、『代償性発汗や頭部に熱がこもるなどして辛い』という話しをしても、『そんなことを言うのは君だけだよ。精神科に行きない。』という人格まで否定されたような言葉を投げかけられ、二重被害にあい、うつ病になってしまった。多くの人が、ETS訴訟が起きているという事実を知るまでは、医師の言葉に翻弄され、『自分が被害者だ』という意識も持ってなかった。この会のホームページで訴訟のことなどを知るにつれて、自分が被害者だという意識を持つことができて、勇気づけられたという声をたくさん聞いた。」という話しを伺いました。

また、多くのETS被害者は、「リバーサル手術を受けて元の体に戻りたい」という願望が強く、それはもちろん当然のことで、それが実現すれば1番良いのですが、リバーサル(神経再生)だけに望みを持っていてはダメです。

医学の進歩というものは、望んだから実現するというものでもないので、現実的ではありません。

もちろん今後、リバーサルの研究の要請なども国へしていきたいとは思っております。

けれど、まずはETSを受けた障害をもった体できちんと生活をしていけるかが最優先課題です。冷静になって、今すぐ対策をとらなければならない現実的な方法を模索するべきです。

国に保護を要請するなどそういった活動に賛同してくださる方の入会をお待ちしています。

引用元:ETS(交感神経切除手術)被害者連絡会

ETS(交感神経切除手術)被害者連絡会では、私のように自分の人生(体)をとうに諦めてしまっているような人間に対して、上記のように訴えかけてくれています。

正直これまで自身の置かれている状態に対してどうこうしようなどと考えたことも無かったのですが、私の声が僅かでもこのような立派な会のお役に立てるのであれば、と少しずつですが意識するようにさせてくれました。

被害者の会まとめ

私は現状、一年の内の半分は代償性発汗のせいで死ぬほど辛い思いをしていますが、もう半分は多汗症だった頃に比べても比較にならないほど快適な生活を送れています。

そのため「ETS手術を受けて良かったか?」と聞かれると、はっきりYESともNOとも言えず、未だその答えが出ていないというのが正直なところです。

そして、医者からの副作用についての説明はひどく淡白ではありましたが、全く無かったとも思っておりません。

私が代償性発汗を患ったのは自業自得、、、そういう思いも持っております。

しかし、このブログをはじめるようになって自身の多汗症、ETS手術、代償性発汗についてたくさん考えるようになりましたし、色々と調べるようになりました。

その中で知ったこの会のおかげで、代償性発汗の私が声をあげることでETS被害者の方のお役に立てるかもしれないという気にもさせてもらえました。

自分の中の思いや考え方がまとまらないままなので今すぐというわけではありませんが、「そうした方がいい」とはっきり思えるようになった場合には、自身を含めた世の中の代償性発汗で辛い思いをしている方たちのために、まずはETS(交感神経切除手術)被害者連絡会へ声をかけさせて頂くこともひとつの方法なのかな、と思うようになりました。

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