手のひら多汗症を手術してみた結果!術後の手汗と代償性発汗について

私は物心がついた頃から約20年間、手掌多汗症で辛い思いをしてきました。

若い頃は周りに自分が異常な手汗をかいていることをひた隠しにし、騙し騙し日常生活を送っていましたが、それから年齢を重ねて就職してみると、大量に手汗をかくことが仕事に支障をきたすようになりました。

それでもなんとか市販の制汗剤を使ってみたり、まめに手を洗うなどの工夫をして凌いでいましたが、それがなかなか大変で、ついに精神的に限界を迎えます。

そうして20歳の頃から皮膚科に通うようになったのですが、その当時に受けた治療の中で私の手掌多汗症に対して効果的なものと出会うことができず、いよいよ23歳で胸腔鏡下交換神経遮断術(ETS手術)を受けました。

手術後、手のひらの汗は信じられないほどかかなくなりましたが、その代わりに、代償性発汗というETS手術を受けたことによる副作用と付き合っていかなくてはならなくなりました。

これは手術が失敗したということではなく、代償性発汗というものはETS手術後は誰にでもほとんどの確立で発症する後遺症なのです。

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ETS手術後の手汗はどうなったか

ETS手術を受けたことにより、それまで汗で常に濡れていた私の両手のひらは、驚くほど乾いた状態になりました。

ちなみに当時の私の手掌多汗症レベルはグレード2です。

グレード2は「水滴ができているのが見た目にもはっきりとわかる濡れている状態。だが汗が流れるところまではいかない」という状態なのですが、手術を受けた平成19年5月以降、それまで一度も使用したことがなかったハンドクリームが必需品となります。

そうなんです、夏でも一切の手汗をかかなくなったのです。

冬になると、これまた人生初の手のひらのあかぎれも経験し、痛い思いはしましたがこれにはとても感動しました。

好きな娘の手もギュッと握れるようになりましたし、友人と熱い握手を交わすこともできるようになりました。

私がETS手術を受けた頃はまだガラケーが一般的だったのですが、スマートフォン全盛の今だと手のひら多汗症のままならきつかったでしょうね。画面は常に汗でベタベタだし、指紋認証なんて反応しないでしょう。フリック入力も困難だったかもしれませんし、そもそもタッチ操作がうまく反応してくれなかったかもしれません。

手のひらに汗をかかないことの素晴しさは、手術から10年経った今でも噛み締めています。

このように、手のひらにかく汗はETS手術でほぼ100%の止めることができるそうです。

しかしその代償として、かなり高い確率で全身に汗をかくようになってしまいます。

私の代償性発汗の程度

前述したように代償性発汗というものは、ETS手術後は誰にでもほとんどの確立で発症すると言われている後遺症です。

私も例に漏れず、ひどい代償性発汗を発症しています。

私が実際に手術する際に病院からもらった説明資料には、代償性発汗で汗をかく箇所は主に「腹部」「背部」「臀部(尻)」「大腿部(太もも)」となっていますが、確かにこれらの箇所は総じてひどい汗をかくようになりました。

付け加えるならば腕、脇、下脚、足の裏と、要は首から下の手のひら意外のほとんどの箇所に汗をかきます。

あと、これは代償性発汗の影響なのか定かではありませんが、辛味の強いものを食べる時だけは、頭皮から滴るほどの汗をかきます。これは手術前にはなかった症状です。

程度に関して「ひどい汗をかく」と書いていますが、例えば分厚いジーンズをはいていても下半身に汗をかくと全体的に濡れて表面の色が濃く変わるほどですし、汗をかいて全体的に濡れたTシャツは絞ると汗が垂れるほどです。

外気温が25度を超えると汗をかき始めるらしく、確かに今の時期(7月)だと午前中には胸から汗をかき始め、次は背中、その次は脚と、午後には全身がびしょびしょになります。

気持ち悪いですよ~、胸の中央辺りから「ツゥー」と汗が垂れる感じは。

ETS手術を受けてから10年が経ち、汗をかくことで自分自身が感じる不快感はどうにか我慢できていますが、着ている洋服の色が変わってしまい、明らかに全身に汗を大量にかいている状態を他人に知られることに対する恐怖感は、今でもかなり辛いものがあります。

仕事のために治療したはずの多汗症でしたが、それにより発症した副作用によって、汗をかいても分かりにくい服装でできる仕事以外には就けなくなってしまいました。

本末転倒ですね。

手術して良かったこと

手掌多汗症だったころは辛い思いをしていましたが、ETS手術を受けて発症した代償性発汗でも同じくとても辛い思いをしています。

しかし、辛い辛いと思うばかりではなく、手術を受けて良かったと思えることもあります。

首から下の手のひら以外全身に汗をかく代償性発汗ですが、これは外気温のみに反応します。外気温が25℃を超えるようになると発汗が始まりますが、逆を言えば25℃以下であれば体のどこにも異常な汗はかかないのです。

よって私の住む地域では、大体11月~5月の涼しい間はとても快適に日常生活を送ることができます。これは外気温だけではなく様々な要因(精神的、ホルモンバランスなど)によって異常な手汗をかく手掌多汗症を患っている時には有り得なかったことです。

手掌多汗症だった頃は一年中が辛かったのですが、代償性発汗を発症した今では一年の半分が快適になったと思えば、手術を受けて良かったと言えるのかもしれませんね。

涼しい季節は本当に快適過ぎて、自分が病気であることを忘れてしまうほどです。

しかしその快適さは逆に考えると、気温が上がり始めて汗をかき始める最初の時期に、「そうだ自分は代償性発汗だったんだ」ということを思い出させられ、一旦どん底な気持ちになってしまうという代償もあります。

一体なにが正解なんでしょうね。

まとめ

手掌多汗症は辛いですよね。

特に気温が高くなるこれからの季節は、とても大変な思いをすることになると思います。

「いっそのこと手術して、手のひらの汗をとにかく止めたいんだ。」

そう思う気持ちは良く分かりますし、私が実際にそういう気持ちで手術に踏み切りました。

じゃあETS手術後は楽になれたのか?

それを聞かれると返事に困るんです。

私の場合、手のひら多汗症の程度もひどかったし、代償性発汗の程度もひどいです。

それぞれに思うところがあり、一概にどちらの方が良かったとは言えず、手術から10年が経った今でもなにが正解だったのかどうかを決めかねている状態です。

ETS手術で遮断された神経は、ほとんどの場合元には戻らないそうです。それは手術を受けてみて、その後の代償性発汗を経験し後悔しても、もう後戻りができないということです。

私が治療を行っていた頃に比べ、現在では新たな治療法がたくさん生まれていると思います。

もし手掌多汗症で悩んでいて、色んな治療法を試すより先にETS手術を検討している人が居たとしたら、それはまだ止めておいた方がいいとアドバイスすると思います。

まずは様々な方法を可能な限り試してみて、その中でひとつでも自分にあったものが見付って、手汗を止めるもしくは汗の量を減らすことができれば、それが一番の幸せだと思うからです。

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